あけましておめでとうございます !枝林 志忠(しりん しただ)です!
ディストピア小説の代名詞と言えば、「1984年」が挙げられるでしょう。
今回は、 ジョージ・オーヴェル原作の『1984年』を取り上げます。
読もうとした経緯
彼の作品を取り上げた理由は、彼の影響を受けて出来た作品が数多く見られるからです。
以下、Wikipediaを参考にして載せています。
音楽では、平沢進「Big Brother」、amazarasi「朗読演奏実験空間 新言語秩序」
ヨルシカ「思想犯」
漫画では、藤子・F・不二雄「ドラえもん のび太の宇宙小戦争」
山下和美「不思議な少年」
小説では、村上春樹「1Q84」、伊藤計劃「虐殺機関」、
伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」
ゲームでは、小島プロダクション「メタルギアソリッドV」
ここまで、多くのクリエイターが注目しているというのなら、読んでみたくなる気持ちが「大」になったでしょう。
では、早速紹介していきます。
作品の概要と注目すべき点
作品内は、「ビッグ・ブラザー」を率いる党が支配している近未来社会です。
第三次世界大戦が終わり、政府によって国民が管理されています。


主人公のウィンストン・スミスは、真理省に務める党員で歴史・文章の改竄をしています。
彼は、現在の政治や社会に不満を抱き、徐々に「ブラザー連合」という反体制の地下組織に
強く興味をもつようになります。
このことがきっかけで、ウィンストン・スミスの身に危険が及んでいくことになります。
作品で注目すべき点は以下の二点です。
- 全体主義が行き過ぎるとどうなるのか
- ニュースピークという言語はいかなるものなのか
読後感じたこと
全体主義が極端に行き過ぎるとこんなぶっ飛んだ世界になるのか、とぞっとするような笑っちゃうような感じになりました。
というのも「こういう世界が来ないで欲しい」「自由が制限されるのは嫌だ」と思いつつも、ここまで世界は悪くはならないだろうという楽観的な気持ちもあったからです。
ただ、一部の政治家や新聞でも『1984年』の文を引用していることがあったので、作品内の
世界にはなりえないけど、一部は実現しつつある所見られるのかもしれません。
ちなみに、最近知ったんですけど、『1984年』って中国だと出版禁止になったんですね。
ITやガジェット関係のSF小説は取り上げているみたいですが、ディストピアを扱う小説は有害だとみなされるのかもしれません。
(『三体』の原作者である劉慈欣は『1984年』を読んでいるそうです。)
注目した点は、「二分間憎悪」という共同体の中に共通の敵を作りだすための儀礼、「ニュースピーク」という国民を行動・意思を強制させるような独特の言語、について語られている描写でした。
終盤になるにつれて、ウィンストン・スミスの境遇が危うくなってくるのですが、ここではあまり詳しく説明しないで起きます。
まとめ
冒頭でも述べましたように、ディストピア小説としてかなり有名な本作は、社会主義批判の小説として見られることもあります。
「二分間憎悪」「ニュースピーク」がどんなものなのか、なぜ世界はこうもおかしくなってしまったのか、 ウィンストン・スミス はどうなってしまうのか、ぜひご自身の目で確かめてみてください。
それではまたお会いしましょう!