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SFってそもそも何?

ど~も枝林 志忠(しりん しただ )です!
SF小説の書評に入る前に、皆さんに聞きたいことがあります。

もそもなんだけど、SFって何?

と思う方がいらっしゃるかと思います。

そんなことを知らなくても生み出せるものは生み出せるでしょうに……。

いえいえ、きちんと用語や表現を理解することもクリエイターとして重要なことなのです。

この記事では、SFについて知りたいという方のために書いています。
ぜひ参考にしてくださいね。

1.SFの定義はない

「え?そこが肝心でしょうに……。」と言いたくなるかもしれません。

「宇宙人が出る」
「タイムマシンで過去・未来に行き歴史が変わる」
「ロボットや宇宙船が出てくる」
いろいろありますよね。

しかし、「SFとは何か?」という質問に対して、なかなかはっきりした答えがないというのが現状です。

ただ、 あえて言うならSFとは「人の価値観を変えるもの」になります。

例えば『2001年宇宙の旅』の原作者アーサー・C・クラークは、『クラークの三法則』の中でこんなことを述べています。

十分に発達した科学技術は、魔法特別がつかない

引用:『クラークの三法則』より

つまり、SFはファンタジーにもなりえるということが分かります。

また、『クリエイターのためのSF大事典』高橋信之監修/スタジオ・ハードデラックス著
によると、

ファンタジーの世界と組み合わさった「サイエンス・ファンタジー」、哲学的であったり、思考実験の要素が強ければ「スペキュレイティブ・フィックション」、または普段の暮らしに奇妙な出来事が入り込む「すこし・ふしぎ」。
このように、SFを定義することは非常に難しくあります。

引用:『クリエイターのためのSF大事典』
    高橋信之監修/スタジオ・ハードデラックス著より
Stefan KellerによるPixabayからの画像

加えて、『 SFプロトタイピング:SFからイノベーションを生み出す新戦略 』によると
SFとは以下に記されているものになるそうです。

SFとは、単に技術を描くジャンルではなく何よりも「スペキュラティブ」なものだ。スペキュラティブとは「思弁的」の意味で、現状の社会のリアルを描くだけではなく、現実から外れた未知を、そして、価値を思い描くことを意味する。

引用:『 SFプロトタイピング:SFからイノベーションを生み出す新戦略 』より

以上からSFの定義をきちんと述べることは難しいですが、あえて言うなら「人の価値観を変えるもの」と言った方が正しいかもしれません。

2.3種類の呼び名について

2.1、 科学的知見のある「Science Fiction」

先ほど、アーサー・C・クラークの言葉を引用しましたように、SFとファンタジーの境界は曖昧になっています。

そのため、「Science Fiction(サイエンス・フィックション)」と呼ばれるだけではなく、「Science Fantasy(サイエンス・ファンタジー)」と呼ばれることもあります。

「サイエンス・フィックション」は次の二つに分けることができます。   

  • ハードSF・・・自然科学(物理学、化学、生物学、地学)を含む作品
  • SF(ソフトSF)・・・人文科学・社会科学(政治学、経済学、法律学、民俗学)を含む作品

ここで言う科学的知見の「科学」とは、自然科学だけを指す狭義としてではなくて、学問という広義としての「科学」と理解してください。

ただ、注意してほしいのは「ソフトSF」と言う言葉は現在では、あまり使用されていないと言われています。(使用している時もあります。) 

0fjd125gk87によるPixabayからの画像

2.2、思弁的な小説「Speculative Fiction」

大衆向けに書かれた「サイエンス・フィックション」に対抗するために、出てきたのが
Speculative Fiction(スペキュレイティブ・フィックション)」です。

登場人物の複雑な心情であったり、現代社会のリアルな描写であったり、文学として評価されるために出てきたSF小説が「スペキュレイティブ・フィックション」だと考えられます。

ホラー、ラブストーリー(ラブコメ)、ギャグ・コメディ、ミステリー・サスペンス、
ヒューマンドラマ。これらのジャンルが組み合わさった作品が多く見られます。

個人的に、近年のSFというと「スペキュレイティブ・フィックション」が多いように思えます。

OpenClipart-VectorsによるPixabayからの画像

2.3、すこし不思議「Sukoshi Fushigi」

普段の日常に奇妙な出来事が入り込む作品を「すこし ふしぎ」と言います。

ロボットやガジェットが登場する作品もありあますが、悪魔や妖怪、スーパーマン、超能力など科学的知見以外のものまで出てくる作品も含まれる場合があります。

有名な作品を取り上げると、藤子・F・不二雄先生の『異色SF短編』が当てはまります。

現に、藤子・F・不二雄先生も自身の作品を「『すこしふしぎ』な世界へようこそ」と述べています。
      

3、まとめ

以上のように、定義は曖昧だとは言え、「人の価値観を変えるもの」がSFだと言えます。
そこから、スペースオペラ、サイバーパンク、スチームパンクというようなテーマ・SF用語が多く出てきたのだと考えられます。

次回から、書評に入っていきましょう!それでは、また今度!

ABOUT ME
枝林 志忠
20代後半のブロガーです。 学問、農業、投資、書評、ジャンル問わず書いていきます。 英会話の経験もあります。 趣味は読書(これまたジャンル問わずですが、特に妖怪ものとSFもの)と筋力トレーニングです。